ファクタリングは違法ではない

ファクタリングは違法ではない

ファクタリングとは、売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却することにより、入金期日より前に資金調達できる方法です。
ファクタリングが違法にならない法的根拠などをご説明しますので、参考にしてみてください。

ファクタリングが違法ではない法的根拠と違法業者を見分ける3つのコツ

創業間もない企業や業績が低迷している企業など、銀行から融資を受けるハードルが高い場合でも、ファクタリングは利用可能です。

そのため、新しい資金調達方法として注目されています。

 

ただし、ファクタリング会社は貸金業法の対象とならないため、常識の範囲をはるかに超える高い手数料を請求する業者も存在します。

また、ファクタリング会社と見せかけて実態は貸金業を営む、法律に反した業態の悪徳業者にも注意しなくてはいけません。

 

ファクタリングが違法ではない法的根拠

ファクタリングは、売掛金を売却して早期資金化する方法なので、「法律違反なのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、法人向けのファクタリング行為自体は法律に違反していません。

 

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングそれぞれの形態について、民法をもとにファクタリングが違法ではない法的根拠をご紹介します。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、利用者がファクタリング会社に売掛金を売却する売買契約です。

 

2社間ファクタリングの場合、売掛先にファクタリングを利用する承諾を得る必要はありません。

 

また、融資よりも簡単な手続きのため、契約後すぐに入金してもらえる場合もあります。

 

最近では、一切面談も必要なくオンラインで完結するファクタリング会社も増えています。

 

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社間で契約を締結するため、売掛金入金期日には、利用者の口座に入金された売掛金を、利用者自らファクタリング会社へ送金します。

 

また、売掛先に承諾を得ないため、債権譲渡登記をする場合もありますが、手数料の支払いをして所有者を移していることから法律に違反するものではありません。

 

民法第555条では「売買」について以下のように記載されています。

 

“売買は、当事者の一方がある財産権を相手方へ移転することを約し、相手方がこれに対してそのための代金を払うことを役することによって、その効力を生ずる。(出典:民法第555条)

 

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、利用者と売掛先、ファクタリング会社の3社で契約を結び、売掛先が売掛金入金期日にファクタリング会社へ直接振込をします。

 

民法466条では「債権の譲渡性」について以下のように記載されています。

 

“債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。(出典:民法466条)”

 

また、債権が譲渡されることにより、債務者や第三者は誰にお金を支払えば良いかがわからなくなります。

 

そのため、債権譲渡をする場合には民法第467条の「指名債権譲渡の対抗要件」の基準をクリアし、債務者が売掛債権の期日に誰に対してお金を支払うかを明確にする必要があります。

 

“指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をする。又は債務者が承諾をしなければ債務者その他の第三者に対抗することができない。(出典:民法第467条)”

 

3社間ファクタリングでは、売掛先もファクタリングを利用することについて納得してもらってから売掛先も含めて契約を結ぶことになるので、売掛先の承諾なしにファクタリングが実行されるということはまずあり得ないでしょう。

 

ファクタリング業者が逮捕された事例

法律に則ったやり方ならばファクタリングが違法ではないのは明らかですが、2017年にファクタリング業を装った業者が逮捕される事件が発生しました。

 

この事件では、資金繰りに悩む経営者が320万円の売掛債権を債権譲渡し、業者からは20万円を借入し、利息を含めて31万円を返済したとのことです。

 

業者は売掛債権の譲渡に対しての代金は支払っておらず、大阪府警は売掛債権を担保にした無登録のかつ法外な利息を徴収する違法な貸付行為と判断し、この業者は貸金業法違反などの疑いで逮捕となりました。

 

ファクタリングは債権譲渡による資金調達方法であり、貸付とは性質が異なるものです。

 

融資を行うには貸金業の登録をする必要があるので、登録なしで貸付を行うのは法律違反とみなされます。

 

また、貸金業の法律に則った貸付の金利元本毎に上限規制が異なりますが、最高でも20%を超えることはありません。

 

  • 元本金額が10万円未満 上限年20%
  • 元本金額が10万円以上〜100万円未満 上限年18%
  • 元本金額が100万円以上 上限年15%

 

ファクタリング業者が貸金業法登録せずに無許可で融資行為を行ったことと、上限金利を超えての貸付を行なったことがこの事件での問題点です。

 

参考:日経新聞「ファクタリング、ヤミ金が装う 違法貸し付け、大阪などで摘発 法規制求める声

悪徳業者を見分ける3つのコツ

上記のニュースのように、ファクタリング会社を謳いながらも違法行為をする業者や、ルールには乗っ取っているものの悪徳業者も存在します。

 

このような業者を見分けるためにも、以下の3点に注意をしてください。

  • ・手数料は相場の額であるか
  • ・HPに所在地の記載があるか
  • ・契約書の控えがもらえるか

手数料は相場の額であるか

ファクタリング手数料の相場は、契約者の信用力より売掛先の信用力で決まりファクタリング会社毎に差はありますが、2社間で10~30%、3社間で1~9%が相場といわれています。

 

ファクタリングには手数料の規定がないので、手数料が高くても違法行為ではありません。

 

たとえば、売掛先の信用力がなく、ファクタリング会社に回収リスクがあると判断されると手数料水準は高くなります。

 

しかし、相場に比べて明らかに高いという場合には疑いの姿勢で見た方が良いといえます。

 

必要以上に手数料を支払うことがないように、他のファクタリング会社と比較するためにも数社に見積りを取るなどすると良いでしょう。

 

また、相場に比べて安すぎる手数料を謳い集客している業者にも注意が必要です。

 

最初の話では低い手数料で説明していたのに、いざ契約となった場合にいろいろ条件が付き、結局は高い手数料で契約させられたという方もいらっしゃるようです。

 

安すぎる手数料には裏があると思い警戒した方が良いでしょう。

 

HPに所在地の記載があるか

HPに所在地の記載が無い、もしくは記載があってもレンタルオフィスである場合は注意が必要です。

 

このような業者は何かあったら逃げて連絡がつかなくなる場合もあります。

 

優良企業であれば必ずHPに所在地の記載をしているはずなので、悪徳業者を見分けるポイントにしてください。

 

契約書の控えがもらえるか

契約書がないと、約束した内容ではない手数料を求められるということがあります。

 

万が一問題が起きて裁判をすることになったとしたら、契約書の内容に沿って判決が行われるので、ファクタリングを依頼する際には必ず契約書の内容を隅々まで確認した上で契約を結び、契約書の控えについては絶対に忘れることなく受け取るようにしてください。

 

違法な給料ファクタリングにご注意を

「給料ファクタリング」は個人向けの資金調達方法の一つで、給料所得者が給料の買い取りを行う会社へ手数料を払うことにより、給料日を待たずに申込人の口座へお金が入る方法です。

 

ただし、給料は原則労働者本人に支払われるものであり、ファクタリング業者へ勤務先が支払うという行為はできません。

 

また、労働者がその債権を第三者へ譲渡した場合にも譲受者が給料を強制的に支払うように指示することはできないとされています。

 

一般的に給与所得者は会社員として一つの企業からのみ給料を得ているため、それ以外の収入でファクタリング業者へ支払うということは考えにくいです。

 

つまり、ファクタリングといっても実質給料を担保にした貸付と変わりありません。

 

東京地裁裁判所は2020年2月に給料ファクタリングについて貸金業と認定しました。

 

そのため、貸金業登録されている業者しか貸付はできませんし、法律により決められた上限金利を超えた金利設定をしてはいけません。

 

法律に反するような高い金利をとられると生活は苦しくなり、抜け出しにくくなってしまいます。

 

金融庁も利用しないように注意を呼び掛けているので、注意してください。

 

参考:金融庁「金融庁における法令解釈に関わる照会

法人向けファクタリングは安全な資金調達方法

ファクタリング自体は法律に則った資金調達方法です。

 

中小企業が銀行から融資を受ける場合は不動産担保などの差し入れが必要ですし、審査に時間がかかります。

 

そのため、審査も早く、担保の差し入れの必要がないファクタリングは効率的な資金調達方法といえるでしょう。

 

ただし、ファクタリングは貸金業法の規制を受けないので、常識の範囲を超える高い手数料を取ろうとする悪徳なファクタリング業者も多いようです。

 

また、ファクタリング業者と装い実態は貸付を行う違法な業者も存在します。

 

手数料は他のファクタリング会社と比べて高すぎたり低すぎたりしないか、HP上に所在地を明確に書かれているか、契約書の控えを問題なく受け取れるかなどで悪徳業者かそうではないかを確認しましょう。

 

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